「クラウドエンジニアは未経験だとやめとけ、という声ばかり目に入って、勉強を始める前から手が止まっているな」と悩んでいませんか。実は、きつい理由さえ直視して順番どおりに動けば、20代後半の非IT寄りの人でも十分に狙える職種なんです。この記事では、未経験のクラウドエンジニア転職がきつい理由と、インフラ経由の最短ロードマップについて解説します。読み終わる頃には、次の休日から迷わず勉強を始められる状態になっているはずですよ。
未経験からのクラウドエンジニア転職が「きつい」と言われる理由4選

未経験のクラウドエンジニア転職がきついと言われる理由は、大きく4つに整理できます。どれも気合いだけでは越えにくい、仕組み上の壁です。
4つとも自分を責める材料ではなく、対策の地図として読んでみてください。
①学習範囲が広すぎて何から勉強するか迷う
最初の壁は、学ぶ範囲が広すぎてゴールが見えないことです。
なぜなら、クラウドで扱えるサービスの数がとにかく多いからです。
AWSだけでも200を超えるサービスがあり、全部を覚えるのは現実的ではありません。
そのため独学だと、どこまでやれば転職できるのか見えず手が止まります。
とはいえ、実務で中心的に使うサービスは十数個ほどに絞れます。
まずは主要サービスだけに範囲を区切って、深追いしないでください。
②インフラの基礎知識が実質の前提になっている
2つ目の壁は、インフラの土台が実質の前提になっていることです。
クラウドは、サーバーやネットワークを画面上で扱う技術だからです。
Linuxの操作やIPアドレスの知識がないと、設定画面の意味を読み取れません。
土台を飛ばすと、手順をなぞるだけで応用が効かなくなります。
ただし基礎といっても、入門レベルの理解で十分に足ります。
クラウド教材に入る前に、まずインフラ入門から始めてください。
③即戦力扱いで実務経験を求められる
3つ目の壁は、即戦力を前提にした採用が中心なことです。
クラウド職は新卒より中途採用が中心で、経験者を想定した募集が大半を占めます。
完全未経験だと、応募条件の実務年数で書類選考を機械的に外されがちです。
結果として、スキル以前に土俵へ立てないもどかしさを感じるでしょう。
とはいえ20代なら、経験の浅さをポテンシャルで補える余地は残っています。
未経験可の求人に絞り、実績で不利を埋める準備を進めましょう。
④入社直後は地味な運用保守から始まる
入社してすぐ設計を任される場面は、ほとんどありません。
最初は、既存システムを安定して動かす役割から入るからです。
実際の初期業務は、監視やログ確認、障害対応といった運用保守が中心です。
華やかな設計を思い描いていると、理想とのギャップに戸惑うかもしれません。
ただ、運用で全体像をつかんだ人ほど、後の設計で強くなります。
地味な下積みを、設計力を蓄える時間だと捉えてください。
未経験可のクラウド求人はどれくらい少ない?

きつい理由が分かったところで、次に気になるのが求人の数でしょう。挑戦する前に、そもそも入口がどれくらい狭いのかを押さえておきましょう。
未経験歓迎の求人は全体の1〜2割にとどまる
未経験歓迎のクラウド求人は、全体のごく一部にとどまります。
多くの募集が、経験者を前提に条件を設定しているからです。
求人サイトで「クラウド」と「未経験歓迎」で絞り込むと、全体のおおむね1〜2割に減ります。
対象となる求人が少ないため、選り好みしすぎると応募先が尽きてしまいます。
ただし、少ないだけでゼロではありません。
条件を欲張らず、通過できそうな求人から順に応募してください。
「未経験歓迎」でも実際はインフラ経験者が優遇される
同じ未経験枠でも、インフラ経験者が優遇されやすいのが実態です。
一つの募集に、サーバー運用の経験者も一緒に応募してくるからです。
採用側から見れば、少しでも土台がある人のほうが安心して任せられます。
そのため完全未経験だと、比較の中で埋もれてしまいがちです。
とはいえ、学習の実績を見せれば経験者との差は縮められます。
独学で作った成果物を用意し、やる気ではなく行動で示しましょう。
20代は書類が通りやすく30代は実務要件が上がる
同じ未経験でも、年代で採用のされ方は変わります。
20代はポテンシャル、30代は即戦力性が重く見られるからです。
20代なら伸びしろを買われ、書類が通りやすい傾向があります。
一方で30代は、前職で培った経験の中身を細かく問われるでしょう。
年齢を理由に諦める必要はありませんが、見せ方は変える必要があります。
20代は素直な学習姿勢を、30代は前職の応用力を前面に出してください。
「クラウドエンジニアはやめとけ」は本当?

求人の少なさを見て、やっぱりやめとけという声が頭をよぎるかもしれません。ただ、この言葉の正体を分けて考えると、見え方が変わります。
クラウド市場は拡大し需要が伸び続けている
やめとけと言われても、市場そのものは力強く伸びています。
企業のシステムが、次々とクラウドへ移っているからです。
IDCによると、2024年の国内パブリッククラウドサービス市場は前年比26.1%増の4兆1,423億円に達しました。
さらに2029年には、8兆円を超える規模まで拡大すると予測されています。
市場が伸びる分野は、後から入っても仕事が生まれ続けます。
縮む業界ではなく、伸びる分野を選ぶ視点を大事にしてください。
DX推進でインフラ・クラウド人材の不足が続く
需要に対して、人材はまったく足りていません。
DXが進むほど、クラウドを扱える人の奪い合いになるからです。
経済産業省の調査によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されています。
人手が足りない分野では、未経験にもチャンスが回ってきます。
もちろん、誰でも受かるという意味ではありません。
不足が続くうちに、早めに参入する準備を進めましょう。
スキルを積めば市場価値が長く通用する
一度身につけたクラウドの力は、長く通用します。
設計や運用の考え方は、他のクラウドでも共通しているからです。
AWSで基礎を固めれば、AzureやGoogle Cloudへも応用が効きます。
複数のクラウドを扱えると、任される仕事の幅が広がります。
ツールは変わっても、土台の考え方は古びにくいものです。
まずは1つのクラウドを深く学び、自分の軸を作ってください。
クラウドエンジニアとインフラエンジニアの違い

やめとけが的外れだと分かったところで、進む順番を考えましょう。ここで大事になるのが、インフラエンジニアとの違いです。
インフラエンジニアはサーバーとネットワークが主戦場
インフラエンジニアは、システムの土台を支える仕事でしょう。
アプリが動く前提となる環境を、丸ごと用意する役割だからです。
物理サーバーの設定や、OSの導入やネットワークの構築を担当します。
目立ちにくい仕事ですが、止まると全体が動かなくなります。
未経験からでも、比較的入りやすい入口です。
まずはこの領域の求人を、選択肢に入れてみてください。
クラウドエンジニアはAWSなどクラウド基盤の構築が主戦場
クラウドエンジニアは、その土台をネット上に築く仕事です。
物理的な機器ではなく、クラウド上の設定で環境を作るからです。
AWSなどの画面から、サーバーやネットワークを構築・運用します。
物理作業が減る分、設計や自動化に力を注げます。
ただし土台の考え方は、インフラとほぼ地続きです。
インフラの延長線上にある職種だと捉えてください。
未経験はインフラ経由でクラウドを目指すのが近道
未経験なら、インフラ経由がいちばんの近道です。
インフラのほうが求人が多く、入口が広いからです。
運用や監視で土台を固めてから、クラウドへ移る流れが確実といえます。
基礎がある状態で挑めば、クラウド学習で挫折しにくくなります。
遠回りに見えて、結局はこのルートが挫折しにくいものです。
焦ってクラウド直行を狙わず、土台から積み上げてください。
未経験からクラウドエンジニアになる最短ロードマップ

進む方向が見えたら、あとは順番どおりに動くだけです。次の休日から着手できるよう、3つのステップに整理しました。
ステップ1|Linux・ネットワークのインフラ基礎を固める
最初にやるべきは、インフラの基礎固めです。
土台がないまま先に進むと、必ずどこかで行き詰まります。
LinuxならLPIC、ネットワークならCCNA相当の入門から始めましょう。
📌 用語メモ
LPIC・CCNA:LPICはLinuxの技術力を、CCNAはネットワークの基礎を証明する資格です。
1日1時間ほどで、2〜3か月を目安に進めると無理がありません。
完璧を目指さず、7割ほど理解できたら次へ進んで構いません。
まずは教材を1冊だけ決めて、今週から手を動かしてください。
ステップ2|AWS認定資格CLF→SAAで知識を証明する
基礎が固まったら、AWSの資格で知識を証明します。
資格は、未経験の学習量を客観的に示す材料になるからです。
まず入門のCLFから始め、次に設計者向けのSAAへ進みます。
📌 用語メモ
CLF・SAA:CLFはAWSの入門資格、SAAは設計スキルを問う中級資格です。
書類選考では、学習の本気度を伝える名刺代わりになります。
CLFは1か月、SAAは2〜3か月ほどが一つの目安でしょう。
いきなりSAAを狙わず、CLFで土台を確かめてください。
ステップ3|ハンズオンとポートフォリオで実務力を示す
最後は、手を動かした実績で未経験の不利を埋めます。
知識だけでなく、作れることを見せる必要があるからです。
AWSの無料利用枠を使えば、費用をかけずに構築を試せます。
📌 用語メモ
ハンズオン:解説を読むだけでなく、実際に自分の手で操作して学ぶ方法です。
作った環境の手順や構成図をまとめれば、立派な成果物になるでしょう。
完成度より、自分で作り切った経験のほうが評価されます。
小さくてもいいので、まず1つ動くものを作ってください。
未経験クラウドエンジニアの年収相場を20代と30代で比較

将来性は分かっても、目先の年収が同世代に見合うかは気になるところでしょう。20代と30代に分けて、相場を確かめておきましょう。
20代未経験|年収350〜450万円からのスタート
20代未経験の場合、初年度は350〜450万円が中心です。
経験ではなく、これからの伸びしろを見込んだ採用だからです。
前職と同水準か、一時的に下がるケースもあります。
一度下がっても、スキルが付けば数年で取り返せます。
目先の額だけで判断すると、伸びしろを取り逃しかねません。
初年度の額より、その後の上がり方で選んでください。
30代未経験|前職スキル次第で400〜500万円
30代未経験なら、400〜500万円あたりが目安です。
前職で培ったスキルが、評価に上乗せされるからです。
マネジメントや折衝の経験は、そのまま強みになります。
実績を具体的に示せれば、交渉の余地も広がるでしょう。
ただし技術面の伸びしろは、20代より厳しく見られます。
前職の経験を、クラウドにどう活かすかを言葉にしてください。
実務3年後|経験を積めば600万円台も見える水準
実務を3年ほど積めば、600万円台も見えてきます。
設計や構築を任されるほど、評価は上がっていくからです。
求人ボックスによると、クラウドエンジニアの平均年収は約530万円にのぼります。
一時的に下がっても、数年で同世代を追い越せる伸びしろがあります。
年代ごとの目安を並べると、次のとおりです。
| 区分 | 年収の目安 |
|---|---|
| 20代・未経験入社 | 350〜450万円 |
| 30代・未経験入社 | 400〜500万円 |
| 実務3年後 | 600万円台も視野 |
額の大きさより、右肩上がりの伸びに注目してください。
未経験者がつまずきやすい挫折ポイント3選

最後に、多くの人がつまずく落とし穴を共有します。先に知っておけば、同じ失敗を避けて学習を続けられます。
どれも他人事ではないので、心当たりがある項目から潰していきましょう。
①学習範囲を広げすぎて手が止まる
一つ目の落とし穴は、手を広げすぎることです。
気になる技術に次々手を出すと、どれも中途半端になるからです。
AWSも資格もインフラも同時に進め、結局どれも終わらなくなります。
完走できないと、達成感が得られず気持ちが折れてしまいます。
遠回りに見えても、1つずつ順番に潰すほうが速いものです。
今週やることを1つだけ決めて、それに集中してください。
②動画視聴だけで満足しアウトプットしない
二つ目は、見るだけで満足してしまうことです。
動画を眺めるだけでは、手を動かす力が身につかないからです。
分かった気になっても、いざ操作するとまったく進まないことがあります。
インプット偏重だと、実務で通用する力が育ちません。
1本見たら、必ず自分の手で同じ操作をなぞってください。
学習時間の半分は、手を動かす時間に充てましょう。
③資格取得をゴールにして転職活動が遅れる
三つ目は、資格取得をゴールにしてしまうことです。
資格はあくまで通過点で、それ自体は仕事ではないからです。
全部取ってから応募しようとすると、動き出しが半年以上遅れます。
準備が長引くほど、年齢という不利だけが増えていきます。
CLFを取った時点で、応募と学習を並行して構いません。
資格の勉強と求人チェックを、同じ週に始めてください。
未経験からのクラウドエンジニア転職はきついが順番どおりなら十分狙える
未経験からのクラウドエンジニア転職は、求人の少なさや学習範囲の広さで確かにきついものです。
それでも、インフラ基礎からAWS資格、実務のアウトプットへと順番どおり進めば、20代後半からでも十分に狙えます。
きつい理由を直視し、挫折ポイントを避けながら通過点を一つずつ潰すことが、いちばんの近道になります。
まずは次の休日に、インフラ入門の教材を1つ決めて、30分だけ手を動かしてみてください。
迷ったらAWSの無料利用枠を登録し、CLFの学習に着手するのが確実な第一歩になります。