「同期はリスキリングでITスキルを付けて転職したらしいけど、自分も給付金の対象になるのか分からず動けない」と悩んでいませんか。
実は、会社員として働きながらでも、条件を満たせば受講料の最大70%・年56万円まで戻ってくる国の給付制度があるんです。
この記事では、会社員が給付金の対象になる3つの条件と、いくら・何%戻るのか、対象講座、申請手順、会社に知られず使えるかまでを数字つきで整理します。
読み終える頃には、自分が対象かどうかと、自己負担を抑えて損せず学ぶ道筋が判断できるようになっているはずですよ。
リスキリング給付金の対象になる会社員の3つの条件

給付金の対象かどうかは、雇用形態ではなく雇用保険の加入状況で決まります。難しく考えず、次の3つの条件に自分を当てはめれば数分で判断できます。
どれも特別な資格は不要で、給与明細や雇用保険の記録さえ確認すれば当てはまるかがすぐ分かりますよ。
①雇用保険に通算3年以上加入している
最初の条件は、雇用保険に通算3年以上加入していることです。
給付金の原資は雇用保険であり、保険料を一定期間納めた人が対象です。
ただし初めて利用する場合は、通算1年以上の加入で対象になります。
転職で会社が変わっていても、空白期間が1年以内なら加入期間は通算できます。
退職して1年以上たつと資格が切れるため、在職中に動くほうが有利でしょう。
まずは給与明細やねんきん記録で、自分の加入期間を確認してみてください。
②前回の給付受給から3年以上経過している
2つ目は、前回この給付を受けてから3年以上たっていることです。
短い期間での連続利用を防ぐため、受給にはインターバルが設けられています。
過去に一度も受け取っていない人は、この条件を気にしなくて大丈夫です。
前回の受講開始日から3年たっていれば、別の講座で再び申請できます。
3年に満たないと、対象講座を選んでも給付は受けられません。
過去に使った記憶があいまいなら、ハローワークで受給歴を照会しておきましょう。
③正社員だけでなく契約社員・派遣も対象に含まれる
3つ目のポイントは、雇用形態を問わず対象になることです。
判定の基準は、正社員かどうかではなく雇用保険の加入だからです。
正社員・契約社員・派遣社員のいずれも、加入期間を満たせば申請できます。
週20時間以上働くパートでも、雇用保険に入っていれば対象です。
一方、個人事業主や役員など雇用保険に入れない働き方は対象外になります。
自分の加入状況が不安なら、勤務先の担当部署か給与明細で確かめてください。
リスキリング給付金は会社員でいくらもらえる?

戻ってくる金額は、受ける講座がどの区分に指定されているかで3段階に分かれます。ここは実際の補助率と上限額を、公的な公表値で確認しましょう。
専門実践教育訓練は最大70%・年56万円が戻る
最も手厚いのが専門実践教育訓練で、最大で受講料の70%が戻ります。
政府広報オンラインによると、受講中は費用の50%が戻り、修了して就職するとさらに20%が上乗せされると案内されました。
上限は受講中が年40万円、追加分が年16万円で、合わせて年56万円が上限になります。
さらに修了後の賃金が5%以上上がれば、10%上乗せされる区分を選べるでしょう。
たとえば受講料80万円の講座なら、条件を満たせば56万円が戻ります。
ただし後払いのため、いったん全額を立て替える資金は用意しておいてください。
特定一般教育訓練は受講料の40%が戻る
次に手厚いのが特定一般教育訓練で、受講料の40%が戻ります。
上限額は20万円で、資格取得や再就職の条件はつきません。
業務独占資格の講座や実務スキル系の講座が、この区分に多く指定されています。
資格を取って1年以内に就職すると、さらに10%上乗せで最大50%になります。
受講料25万円の講座なら、10万円が戻って自己負担は15万円です。
専門実践ほど重くない講座で、確実に補助を受けたい人に向いています。
一般教育訓練は受講料の20%が戻る
いちばん間口が広いのが一般教育訓練で、受講料の20%が戻ります。
上限は10万円で、対象講座の種類がもっとも多い区分です。
語学やビジネス系の通信講座など、気軽に始めやすい講座が並びます。
受講料10万円の講座なら2万円が戻り、実質8万円で学べます。
補助率は控えめですが、修了要件がゆるく初めての1本に選びやすいです。
まず給付制度を試したい人は、この区分から始めるのがおすすめでしょう。
会社員に向いているのはどちらの給付制度?

名前が似ていて混同しやすいのですが、この2つは管轄する省庁も目的も別物です。在職中の会社員がどちらを選ぶべきか、性格の違いから整理します。
教育訓練給付金|在職のまま自分で申請できる
教育訓練給付金は厚生労働省が所管する、雇用保険加入者向けの制度です。
在職中でも退職後でも、本人がハローワークで直接申請します。
会社を通す必要がなく、講座選びから受給まで自分のペースで進められる点が魅力です。
働きながら夜間や通信で学び、修了後に受講料の一部を受け取れます。
会社の研修とは無関係なので、業務命令や許可は関係ありません。
在職中に自分の意思でスキル投資したい人は、まずこちらを軸に考えてください。
リスキリング支援事業|転職を前提に伴走支援を受けられる
一方、リスキリング支援事業は経済産業省が主導する、転職を前提にした制度です。
民間の運営事業者を通じて、キャリア相談から転職までを専門家が伴走します。
スキルの棚卸しや講座選びから応募先探しまで、一貫したサポートを受けられる仕組みです。
受講費用の一部が補助され、転職が決まると追加で支給される仕組みもあります。
転職を前提とするため、今の会社に残り続けたい人には目的が合いません。
環境を変えてキャリアを立て直したい人は、この伴走型を検討する価値があります。
会社員が選ぶなら在職中は教育訓練給付が向いている
在職しながら学ぶなら、教育訓練給付のほうが向いています。
会社に在籍したまま、自分の裁量で始められて辞める必要がないからです。
| 比較項目 | 教育訓練給付金 | リスキリング支援事業 |
|---|---|---|
| 管轄 | 厚生労働省 | 経済産業省 |
| 前提 | 在職・退職どちらも可 | 転職が前提 |
| 支援内容 | 受講料の補助 | 補助+転職の伴走支援 |
| 申請する人 | 本人 | 本人+運営事業者 |
表のとおり、伴走支援がいらない代わりに、気軽さと自由度で勝ります。
平日は働き、夜と週末に通信講座で学ぶといった無理のない進め方ができます。
手厚い転職支援まで欲しい場合は、支援事業との併用も選択肢になるでしょう。
まずは在職中に教育訓練給付で土台を作り、必要に応じて次を考えてください。
リスキリング給付金の対象になる人気スキル分野4選

対象講座はIT・デジタル系を中心に、転職や年収アップにつながる分野が幅広く指定されています。対象かどうかは厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確認できます。
気になる分野があれば、あとで検索システムで具体的な講座名まで絞り込めますよ。
①プログラミング・Web開発を学べる
まず人気なのが、プログラミングやWeb開発の分野です。
未経験からでも学びやすく、転職市場の求人が多い領域だからです。
Webアプリ開発やフロントエンドを扱う講座が、専門実践などに指定されています。
数か月のコースで実務レベルの制作物を作り、転職の武器にできます。
学習量は多いので、働きながらなら半年前後の計画で臨んでください。
手を動かす仕事に興味があるなら、最初の候補にしやすい分野です。
②AI・データサイエンスを学べる
次に伸びているのが、AIやデータサイエンスの分野です。
どの業界でもデータを扱える人材が不足し、需要が高まっています。
機械学習やデータ分析を扱う講座が、専門実践の区分で複数指定されているのが実情です。
これまでの仕事にデータ分析を掛け合わせると、社内でも重宝されやすくなります。
数学やプログラミングの基礎がいるため、入門講座から段階的に進めると安心です。
将来のAIの波に備えたい人には、投資価値の高い分野でしょう。
③クラウド・ITインフラを学べる
3つ目は、クラウドやITインフラの分野です。
システムの土台を支える技術で、資格が評価されやすい領域です。
クラウドの構築や運用、ネットワーク系の資格講座が対象に含まれます。
資格を取ると求人の応募条件を満たしやすくなり、選択肢が広がるでしょう。
実機を触る演習つきの講座を選ぶと、知識が実務で使える形になります。
手堅く市場価値を上げたい人に向いている分野です。
④簿記・士業などの資格取得を目指せる
IT以外では、簿記や士業などの資格取得も対象です。
会計や法律の専門資格は、業界を問わず長く通用します。
簿記や社会保険労務士、行政書士などの講座が区分ごとに指定されているのが特徴です。
資格が手当や昇進の条件になっている会社なら、年収にも直結します。
難関資格は学習期間が長いので、上限額と受講料のバランスを見て選んでください。
IT一択で迷う必要はなく、自分の強みを伸ばす資格から検討しても構いません。
教育訓練給付金を会社員が申請する手順

申請と聞くと難しそうですが、流れは受講前・受講中・受講後の3段階だけです。会社を通さずに、自分ひとりでも進められます。
受講前:対象講座とキャリア相談を確認する
最初にやることは、講座が給付対象かの確認と受給資格の照会です。
受講開始前にハローワークで支給要件照会をして、対象かを確かめます。
専門実践では、訓練前キャリアコンサルティングという事前面談が必須です。
📌 用語メモ
訓練前キャリアコンサルティング:受講前に専門家と学ぶ目的やキャリアの方向性を整理する事前面談のことです。
この面談で目的を整理しておくと、受給の準備がスムーズに整います。
照会を飛ばして受講を始めると補助を受けられません。
気になる講座が見つかったら、申し込み前に必ずハローワークへ相談してください。
受講中:出席率と修了要件を満たす
受講が始まったら、出席率と修了要件を満たすことが条件です。
途中で一定の基準を下回ると、給付そのものが受けられなくなるからです。
多くの講座では、8割以上の出席や課題提出が修了の条件になっています。
きちんと通って修了すれば、修了証明書が発行されて申請に進めます。
仕事の繁忙期と重なると通いきれないので、無理のない日程で選んでください。
出席状況は自分でも記録し、修了要件を早めに把握しておきましょう。
受講後:ハローワークで必要書類を提出する
修了したら、期限内にハローワークへ書類を提出して申請します。
厚生労働省によると、一般と特定一般は受講修了日の翌日から1か月以内に申請する必要があります。
受給資格者証、受講証明書、領収書などをそろえて提出してください。
審査を通れば、指定した口座に給付金が振り込まれます。
1か月の期限は短いので早めに準備すると安心です。
提出先は住所を管轄するハローワークなので、場所と受付時間を先に調べておきましょう。
リスキリング給付金は会社に知られず自分主導で受けられる?

「会社にバレたら気まずいな」と心配になりますが、この制度は個人が主体で動くものです。会社への申告や許可は必要ありません。
申請は個人がハローワークで手続きする
申請の窓口は、勤務先ではなく個人が使うハローワークです。
給付は雇用保険の加入者本人に対して支払われる仕組みだからです。
照会も申請も本人が行うため、会社の人事を経由する場面はありません。
手続きの書類が会社に届くこともなく、勤務先に情報は共有されません。
ただし平日に窓口へ行く必要があるため、休暇や昼休みの調整は要ります。
近くのハローワークの場所と受付時間を、先に確認しておいてください。
会社に申告しなくても受けられる
受講にあたって、会社への申告や許可はいりません。
業務命令ではなく、個人の自己啓発として受ける制度だからです。
夜間や通信の講座を選べば、勤務時間に影響を出さずに学べます。
上司に相談しなくても、自分の判断でスキル投資を始められます。
就業規則で社外活動に届出が必要な会社は、念のため規定を確認してください。
まずは誰にも言わず、自分のペースで一歩を踏み出して構いません。
副業や転職準備のスキル習得にも活用できる
この制度は、副業や転職の準備としても活用できます。
身につけたスキルの使い道に、会社からの制限はかからないからです。
プログラミングやデータ分析を学び、休日の副業につなげる会社員もいます。
在職中に土台を作っておけば、いざという時の選択肢が増えます。
今の仕事だけに頼るのは、AIやDXの波を考えると心細い時代です。
将来の不安に備える意味でも、動けるうちに使っておく価値があるでしょう。
会社員でも条件を満たせばリスキリング給付金で損せず学べる
ここまで見てきたとおり、会社員が対象かどうかは雇用保険の加入期間を軸にした3つの条件でほぼ判断できます。
講座の区分によって受講料の20〜70%、年最大56万円まで戻り、自己負担の軽減効果は大きいです。
申請は個人がハローワークで行うため、会社に知られず自分主導でスキル投資を進められます。
まずは厚生労働省の教育訓練講座検索システムで気になる講座が対象か確認し、ハローワークで自分の雇用保険加入期間をチェックするところから動き出しましょう。