「独立したいけど、何からどの順番で準備すればいいのか分からないな」と悩んでいませんか。
実は、準備の順番を間違えると、退職後に手続きや資金繰りで慌て、収入が途切れたまま独立するリスクを抱えかねません。
この記事では、会社員エンジニアがフリーランス独立で失敗しないための準備5ステップを解説します。
読み終わる頃には、今の自分が動いていいのかを見極め、今週から踏み出す一歩が見えているはずですよ。
会社員エンジニアが独立して大丈夫かを見極める3つの条件

独立していいかどうかは、勢いや気合いで決めるものではありません。実務経験・貯金・副業収入という3つの条件で、客観的に判断できます。
どれも数字で確認できる条件なので、気になるものから自分に当てはめてみてください。
①実務経験を3年以上積んでいる
実務経験3年は、独立を考え始める最初のラインです。フリーランス案件の多くが、応募の目安を実務3年以上に置いています。
レバテックフリーランスの相場データによると、経験3年以下の月額単価は50〜70万円、3〜5年では80〜100万円に上がるとされています。
実際、経験が浅いうちは選べる案件が限られ、単価も伸びにくいのが実情です。
まずは自分の実務経験が何年になるか、数えてみてください。
②生活費6か月分以上の貯金を確保している
2つ目の条件は、収入がゼロでも生活を回せる貯金があるかどうかです。
実際、独立直後は案件が決まっても、報酬の入金が1〜2か月先になることが珍しくありません。
毎月の生活費が30〜40万円なら、180〜240万円が用意しておきたい貯金の目安になります。
これだけあれば、案件が途切れても半年は落ち着いて動けます。
③会社員のうちに副業で継続的に収入を得ている
3つ目は、会社員のうちに副業で継続的に稼げているかどうかです。
独立後に自分で仕事を取れるかは、実際にやってみないと分かりません。
そのため、月2〜3万円でもいいので、副業で受注から納品までを経験しておきましょう。
副業で継続受注できていれば、独立後もその延長で動けます。小さくても実績を積んでおくと安心です。
独立前に会社員のうちにやること4選

ここからが準備の本番です。会社員という信用と安定収入がある今のうちに、独立後に効いてくるリスクを先に潰しておきましょう。
とくに①は独立後に取り返しがつきにくいので、優先して手をつけてください。
①クレジットカードとローンの審査を通しておく
フリーランスになると社会的信用が下がり、クレジットカードやローンの審査が通りにくくなります。
収入が安定するまで数年かかることもあり、独立直後はとくに不利になりがちです。
そのため、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードは、会社員という肩書きがあるうちに作っておくのが安心です。
近く大きな買い物を考えているなら、退職前に動いておいてください。
②生活費半年分と初期費用の貯金を貯めておく
先ほど触れた生活費半年分に加えて、独立時には初期費用もかかります。
パソコンの買い替えや会計ソフト、名刺や備品などで、数万円から数十万円は見ておきたいところです。
在職中の安定した給料があるうちに、毎月いくら積み立てるかを決めておきましょう。
退職日から逆算して貯金計画を立てておくと、資金不足で焦らずに済みます。
③スキルシートと実績を棚卸ししておく
案件に応募するときは、スキルシートで自分の実績を分かりやすく伝えます。職務経歴書のエンジニア版のようなものです。
📌 用語メモ
スキルシート:使えるプログラミング言語やフレームワーク、担当した工程をまとめた案件応募用の経歴シート。
設計から開発、テストまでの担当工程を、記憶が新しいうちに整理しておきましょう。
退職前の今こそ、これまでの案件を棚卸しする良いタイミングです。
④案件相場とエージェントを下調べしておく
独立してから相場を調べ始めると、動き出しが遅れて収入の空白が生まれます。
そのため、在職中のうちに自分のスキルでどのくらいの単価が狙えるかを把握しておきましょう。
また、レバテックフリーランスやギークスジョブ、Midworksといったフリーランスエージェントに登録すれば、案件情報や想定単価を無料で確認できます。
退職前に相場観をつかんでおけば、独立初月からスムーズに応募へ動けるでしょう。
退職前後に必要な独立の事務手続き4選

手続きと聞くと身構えるかもしれませんが、やることは決まっています。期限を守って順番に処理すれば、退職後に慌てることはありません。
どれも期限が決まっているので、退職日が見えてきたら早めに動き出してください。
①退職後14日以内に国民健康保険へ切り替える
退職して会社の健康保険を抜けたら、国民健康保険への切り替えが必要になります。
手続きの期限は、退職日の翌日から原則14日以内と決まっています。
また、会社の健康保険を続ける任意継続という選択肢もあり、こちらは退職後20日以内が期限です。
保険料は前年の収入や扶養家族の人数で変わります。両方を試算して安い方を選んでください。
②厚生年金から国民年金へ切り替える
健康保険と同じく、年金も厚生年金から国民年金へ切り替えます。
手続きは住んでいる市区町村の窓口で行い、期限は退職後14日以内です。
会社員時代は保険料の半分を会社が負担してくれていました。独立後は全額が自己負担に変わります。
手取りが減る前提で家計を見直しておくと安心です。収入が少ない時期は、免除や猶予の制度も相談できます。
③開業届と青色申告承認申請書を同時に提出する
個人事業として独立するなら、税務署に開業届を提出しましょう。
国税庁によると、開業届は事業を始めてから1か月以内が提出期限とされています。
あわせて出したいのが、節税につながる青色申告承認申請書です。
こちらは開業から2か月以内が期限なので、開業届と一緒に出しておくのが確実でしょう。
④確定申告に備えて帳簿づけを始める
青色申告の65万円控除には、日々の帳簿づけが欠かせません。独立初月から始めておくのが理想です。
国税庁の制度では、複式簿記での記帳とe-Taxでの申告で最大65万円が控除されると定められています。
簿記に自信がなくても、会計ソフトを使えば売上や経費を入力するだけで帳簿づけができます。
領収書を残して記帳を習慣にしておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。
独立直後に収入を切らさない案件獲得の3ルート

独立して最初にぶつかる不安が、案件が取れずに収入がゼロになることです。これは、獲得ルートを1本に絞らず複数持っておけば避けられます。
それぞれ強みが違うので、複数を組み合わせて収入の柱を増やしておきましょう。
①フリーランスエージェント|最短で安定案件を確保できる
独立直後にいちばん堅いのが、フリーランスエージェント経由の案件です。
スキルシートをもとに担当者が案件を紹介してくれるので、営業が苦手でも仕事につながりやすいのが強みです。
単価は案件によりますが、月額60〜80万円がボリュームゾーンとされ、会社員時代より手取りが増えることもあります。
紹介の幅を広げるため、エージェントは2〜3社に同時登録しておくとよいでしょう。
②前職や知人の人脈|信頼ベースで高単価を狙える
前職の同僚や取引先、知人からの紹介も、独立直後の心強い収入源になります。
すでに信頼関係ができているぶん、単価を交渉しやすく継続案件にもつながりやすいのが特徴です。
お互いの仕事ぶりを知っているので、条件のミスマッチも起きにくくなります。
とはいえ紹介は待っていても増えないので、退職前に良い関係を保っておいてください。
③クラウドソーシングやSNS|実績と人脈を広げられる
クラウドソーシングやSNSは、実績づくりと人脈を広げる入口として役立ちます。
単価は低めになりがちですが、直接契約の案件に出会えたり、発信から依頼が来たりすることもあります。
実績や作ったものを発信しておくと、名前を見た人から仕事が届くこともあるでしょう。
エージェントで土台を固めつつ直請けの入口も育てておくと、収入源が広がります。
フリーランス独立でありがちな失敗3選

最後に、先輩フリーランスがつまずいた失敗を3つ紹介します。事前に知っておけば、同じ落とし穴は避けられます。
どれも他人事ではないので、心当たりがある失敗から対策を考えていきましょう。
①手取り減を想定せず生活が苦しくなる
独立で最初に驚くのが、額面の報酬と実際の手取りの差です。
報酬からは所得税や住民税、国民健康保険料や年金、経費が引かれていきます。
たとえば月60万円の報酬でも、税金や社会保険料を差し引くと手元に残るのは45万円前後になることも珍しくありません。
月収が上がった気でいたら、税金と保険料の支払いで貯金が減っていった。額面だけを見て独立を決めたのは反省点だ。
— 30代・元会社員のフリーランスエンジニア
額面の8割前後が手取りになる前提で家計を組むと、独立後の生活が苦しくなりにくいです。
②社会的信用の低下で審査に落ちる
2つ目は、社会的信用が下がって審査に落ちる失敗です。
独立直後は収入を証明する材料が少なく、金融機関からは不安定に見られてしまいます。
家や車を買おうとして審査に落ち、後悔する人は少なくありません。
だからこそ、先ほど触れた大きな与信は会社員のうちに確保しておいてください。
③案件を1社に依存して収入が不安定になる
案件を1社に頼りきると、収入は一気に不安定になります。これが3つ目の失敗です。
その取引先の都合で契約が終わると、収入がゼロになってしまうこともあります。
会社員の給料と違い、フリーランスの案件はいつ終わるか読めません。
取引先を2〜3社に分散させておけば、1社が途切れても他でカバーできます。
会社員のうちに準備を進めれば独立は怖くない
エンジニアの独立は、勢いで飛び込むものではありません。
実務経験・貯金・副業収入で可否を見極め、信用や資金の確保を会社員のうちに済ませておけば、リスクは大きく減らせます。
手続きの期限を押さえ、案件獲得ルートを複線化しておけば、退職後に慌てることもありません。
完璧な準備を待つ必要はありません。まずは貯金額の棚卸しと、これまでの実務経験の確認から始めてみてください。
今日はまず、貯金額と生活費半年分を書き出してみましょう。
そのうえで気になるフリーランスエージェントに無料登録し、案件相場を確認するところから動き出してください。
