「セキュリティに憧れはあるけれど、未経験だときついしやめとけって声ばかりで、自分には無理かもしれないな」と、残業帰りの布団のなかで悩んでいませんか。
実は、レバテックの調査ではセキュリティ職種の求人倍率が42.6倍に達しているほど人材が足りておらず、未経験にも門戸が開きはじめているんです。
この記事では、未経験がきついと言われる5つの理由から、後悔しない求人の見分け方や学習の順番までを、現実の数字とあわせて解説します。
読み終わる頃には、挑戦するか撤退するかを、他人の声ではなく自分の基準で判断できるようになっているはずですよ。
セキュリティエンジニア未経験がきついと言われる理由5選

未経験がきついと言われる背景には、なんとなくの不安ではなく、はっきりした5つの理由があります。
どれも現場の仕組みや働き方に根ざしたもので、裏を返せば事前に対策できるものばかりです。
自分に当てはまりそうな理由から読むと、どこを先に潰せばいいかが見えてきますよ。
①監視・運用中心の現場でスキルが伸び悩む
SOCと呼ばれる監視部門では、機器が出すアラートを一日中確認し、記録を残す作業が中心になります。
📌 用語メモ
SOC:セキュリティの監視を専門に行う部門のこと。24時間体制で攻撃の兆候を見張ります。
多くのアラートは手順書どおりに一次対応し、上位の担当へ引き継ぐ流れです。
自分でツールを作ったり深く分析したりする場面は、思ったより多くありません。
決められた作業の繰り返しが続くと、手を動かす経験が積めず成長が止まりやすいのが実情です。
②夜勤や休日出勤で生活リズムが崩れる
攻撃は時間を選ばないため、監視の現場は24時間365日のシフト体制で回っています。
そのため夜勤や早朝勤務が定期的に入り、夜勤続きで生活リズムが崩れやすいのが実情です。
大きなインシデントが起きれば、休日でも呼び出されて対応に追われることもあります。
激務と言われる背景はこの働き方にあり、体力面の覚悟は必要でしょう。
③インフラとネットワークの知識が前提になる
セキュリティは、守る対象であるサーバーやネットワークの仕組みを理解して初めて成り立ちます。
そのため、攻撃を防ぐ前に土台となるインフラの知識が欠かせません。
ここが中途半端なまま飛び込むと、専門用語の意味すら追えず早い段階でつまずきます。
未経験でつまずきやすいのは、基礎知識が足りないまま飛び込むケースです。
④知識がすぐ古くなり学び直しが続く
攻撃の手口や新しい脆弱性は、毎日のように生まれています。
去年通用した対策が今年には古くなるなど、知識がすぐ陳腐化していきます。
そのため現場に入ってからも、新しい情報を追い続ける学習がずっと必要です。
学び続ける前提を重く感じる人には、この点がきつく映るかもしれません。
⑤未経験可の求人が少なく倍率が上がる
そもそもセキュリティの求人は、実務経験者を前提にしたものが大半を占めます。
冒頭で触れた高い求人倍率も、その多くは経験者向けの椅子の奪い合いです。
未経験を受け入れる枠はごく一部に限られ、そこに応募が集中して倍率が跳ね上がります。
入口が狭いこと自体が、未経験のきつさを底上げしているのは間違いありません。
未経験からのセキュリティエンジニア転職は本当に難しい?

難しいのは事実ですが、可能性がゼロというわけではありません。
年代と準備の有無によって、越えるべきハードルの高さは大きく変わってきます。
未経験可の求人は全体のごく一部にとどまる
IT人材の転職求人倍率は、2025年時点で全業種平均の1.18倍に対して10倍前後と高い売り手市場です。
ただし、この数字はIT全体の話で、セキュリティの未経験可求人はそう多くありません。
経験者向けの求人が大半を占め、未経験の枠はどうしても限られます。
入口が狭い前提を知っておくだけでも、対策の立て方が変わってきます。
30代未経験は20代より評価が厳しくなる
同じ未経験でも、20代と30代では企業の見る目が変わります。
20代はポテンシャル採用の余地があるでしょう。一方で、30代には即戦力に近い動きが期待されます。
そのため30代で挑むなら、資格や近い実務経験で本気度を示す準備が欠かせません。
年齢を重ねるほど、準備なしの挑戦は通りにくくなります。
実務経験ゼロでも準備次第で内定に近づく
ここまで読むと不安が募るかもしれませんが、悲観する必要はありません。
企業が未経験に本当に求めるのは、完成した技術より学ぶ姿勢と土台の知識です。
インフラの実務経験や資格があれば、書類選考の通過率はぐっと上がります。
実務がゼロでも、正しい順番で準備を重ねれば内定は近づいてきます。
スキルが伸びず後悔しない求人の見分け方3選

消耗する現場を避けるには、入社前に求人票の見方を知っておくと役立ちます。
次の3つの観点を押さえれば、伸びる現場か消耗する現場かを見分けられます。
気になる求人を1つ開いて、この3点を実際に照らし合わせながら読むと効果的ですよ。
①業務範囲が監視・運用だけに限られていない
まず見てほしいのは、仕事内容の欄に書かれた業務範囲の広さです。
監視やログ確認、一次対応だけで説明が終わる求人には気をつけてください。
それだと入社後も監視の繰り返しで終わり、技術が伸びにくくなります。
設計や改善など、監視の先の業務まで書かれているかを確認するのがおすすめです。
②脆弱性診断や上流工程に関われる
技術が伸びる現場には、手を動かして考える業務が用意されています。
その代表が、システムの弱点を洗い出す脆弱性診断やペネトレーションテストです。
📌 用語メモ
ペネトレーションテスト:実際に攻撃を試して、システムに侵入できる弱点がないか確かめる検査のこと。
こうした上流の業務に関われる求人なら、実力がついて市場価値も高まります。
求人票に診断や設計といった言葉があるかを、必ずチェックしてみてください。
③資格取得支援や研修制度が整っている
未経験をきちんと育てる会社は、学びを支える制度にお金をかけています。
具体的には、資格取得の受験料補助や体系的な研修プログラムの有無が目印です。
求人票や採用ページにこうした記載がなければ、育成に消極的な可能性があります。
面接で研修の中身を質問し、育てる姿勢があるかを直接確かめてください。
未経験からセキュリティエンジニアを目指す学習の順番

やみくもに始めても遠回りになりやすいので、学ぶ順番がとても大事になります。
結論として、インフラ基礎から資格、実践へと段階的に積み上げるのが近道です。
0〜3ヶ月目:インフラとネットワークの基礎を固める
最初に取り組むべきは、セキュリティそのものではなくインフラの土台でしょう。
守る対象の仕組みがわからなければ、防御の意味も理解できないからです。
市販の入門書やUdemyの動画講座で、サーバーやネットワークの基礎から始めてみてください。
ここで土台を固めておくと後の学習が一気に楽になります。
4〜6ヶ月目:Security+で体系知識を整える
土台ができたら、セキュリティの体系知識を資格で一気に整理します。
未経験者が最初に狙う資格として定番なのが、CompTIA Security+です。
ユニゾンキャリアの解説では、未経験者の勉強時間は150〜300時間が目安とされています。
1日2時間なら3〜4ヶ月ほどで、攻撃と防御の全体像が体系的に頭に入るでしょう。
7ヶ月目以降:CTFや自宅ラボで手を動かす
知識が身についたら、あとは実際に手を動かして経験に変えていきます。
おすすめは、ゲーム感覚で攻防を学べるCTFや、自宅に検証環境を作る自宅ラボです。
📌 用語メモ
CTF:隠された答えを探し出す競技形式の演習のこと。楽しみながら攻撃と防御の技術を学べます。
自分で環境を壊して直す経験は、面接で語れる具体的な材料になります。
座学で終わらせず、手を動かした経験まで作れるかが合否を分けるでしょう。
セキュリティエンジニアに向いていない人の特徴3選

ここまでの準備を踏まえても、人によって向き不向きははっきり分かれます。
責める話ではなく、続けられるかを冷静に確かめる材料として読んでください。
3つとも当てはまるなら立ち止まる判断も正解なので、正直に向き合ってみてください。
①最新技術を学び続けるのを負担に感じる
この仕事では、新しい攻撃や対策を追い続ける学習が働き始めてからも続きます。
休日に情報を調べたり手を動かしたりを、負担なく続けられるかが分かれ目です。
知識の更新を面倒に感じるタイプだと、この職種は長く続けにくいでしょう。
逆に学ぶこと自体が好きな人には、変化の速さはむしろ武器になります。
②地道な監視作業を退屈に感じる
セキュリティの実務は、派手な攻防よりも地道な作業が大半を占めます。
アラートの確認やログの記録など、単調に見える業務が毎日積み重なります。
この地味さに退屈を感じてしまう人は、集中が切れてミスも増えかねません。
コツコツ続ける作業を苦にしない人ほど、現場で長く信頼されます。
③自分で調べて解決するのを面倒に感じる
トラブルの原因は、マニュアルに載っていないことがほとんどです。
そのため、自分で調べて原因を突き止める自走の姿勢が欠かせません。
すぐ人に聞いて答えを待つ癖があると、対応のスピードで壁にぶつかります。
手間を惜しまず自分で調べ切る力が成長を左右します。
セキュリティエンジニアの年収は未経験の苦労に見合う?

結論から言うと、入口の年収は控えめでも、経験を積むほど伸びやすい職種です。
需要の強さを背景に、努力を数字で回収しやすい点も見逃せません。
未経験入社直後は年収350〜450万円が目安になる
気になるのは、未経験で入った直後にどれくらい稼げるかでしょう。
求人ボックスのデータでは、初任給は23万円ほどが相場とされています。
年収に直すと、おおむね350〜450万円あたりからのスタートになります。
一時的に下がることもありますが、入口はあくまで通過点にすぎません。
経験を積むと年収600万円以上も見えてくる
年収が本当に伸びるのは、実務経験を積んでからです。
求人ボックスの集計では、平均年収は約496万円と全国平均を上回る水準です。
さらにギークリーの自社データでは、平均が約600万円と報告されています。
経験と実績を重ねれば、年収600万円台も十分に狙えるでしょう。
人材不足で需要が伸び将来性が高まる
年収が伸びやすい背景には、深刻な人材不足があります。
経済産業省の検討会でも、国内のセキュリティ人材は約11万人足りないと指摘されています。
攻撃が高度化する一方で、守る人材の育成はまるで追いついていません。
この需給ギャップが続くかぎり、スキルを持つ人の価値は上がり続けます。
セキュリティエンジニア未経験のきつさは理由を分解すれば越えられる
未経験がきついのは事実ですが、その多くは現場選びと準備不足という潰せる原因からきています。
監視止まりの求人を避け、インフラ基礎から資格、実践へと順番に積み上げれば道は開けます。
需要は伸び続けており、努力を年収と将来性で回収できる職種です。
まずはインフラとネットワークの基礎学習を、今日1つだけ始めてみてください。
並行して未経験可の求人を業務範囲の観点でチェックし、挑戦か撤退かは動き出してから決めても遅くありません。
